板吹誕生のきっかけは、区内の高校生が「区民の誰でも参加できる吹奏楽団を作って！」という内容の“区長への手紙”でした。

　区内の吹奏楽愛好者882名の署名と区長への手紙に込められた願いが叶い、1986年に板橋区吹奏楽団が設立されました。

　当時、この事は話題を呼び、新聞や吹奏楽雑誌等にも記事が掲載されました。1986年6月1日付「広報いたばし」で団員募集をしましたが、当初60名程度規模を想定していたにもかかわらず、200名を越える応募者が殺到しました。

[板橋区吹奏楽団結団式＆読売新聞掲載-S61.10.12]

　オーディションの結果、同年7月28日、94名の団員と、音楽監督：酒井正幸氏、常任指揮者：中澤正人氏が参加の第1回の練習が行われました。区民へのお披露目演奏は、12月14日の板橋区立東板橋体育館オープン記念式典のことでした。

　週1回の練習を積み重ね、1987年5月16日板橋区立文化会館大ホールにて定期演奏会を開催しました。

　この演奏会を皮切りに、区民体育大会・区民祭などの区内行事への参加、青少年吹奏楽コンサート参加、ポピュラーコンサートの開催など、板吹の本格的な活動が始まりました。

　定期演奏会とポピュラーコンサートの2回の演奏会を柱に活動がまわり始めました。また、毎年5月のゴールデンウィークには、2泊3日の合宿も行うようになりました。定期演奏会の直前にあたるため演奏曲の仕上げの場となっていますが、「実は練習後の宴会の方が楽しみ」な人もちらほら・・・。3日間、思いっきり楽器を吹くことの出来る合宿は、社会人団員にとっては、学生時代を思いおこすものでした。

　この年、板橋区の「加賀福祉園祭り」や「歩けあるけ大会」の昼食会場の赤塚公園で屋外コンサートを初めて行い、区内行事での演奏の機会もだんだん増えてきました。

　昨年に引き続き参加した吹奏楽コンクール予選では、「金賞」を受賞、本選では「銀賞」を受賞しました。

　ポピュラーコンサートでは、作曲家のルイ・アンダーソン作品集と、アメリカ音楽特集を企画。板吹で初めて「企画」という演出を取り得れた演奏会となりました。この企画の中では劇団の方に寸劇をお願いし、聴覚だけでなく視覚効果にも試みました。